京都禅寺巡り

南禅寺 (山号は瑞龍山) 法堂
京都 行く準備
今回、京都へ行くにあたり、「そうだ 京都、行こう」(笑)と思いついて、ふと、という風ではなく、ある計画を立てることにした。
以前勤めていた会社の先輩お薦め「西芳寺(苔寺)」をメインに夢窓疎石の庭と禅寺を幾つか巡ろう。
西芳寺を拝観するには、申し込みの往復葉書を送りお返事が届くアナログな完全予約制の手段が必要で、写経などの宗教行事にも参加する事が条件。妻と二人で予約をし、返ってきた葉書を持って、いざ京都へ。

三門 創建:寛永5年(1628年)

三門の柱
南禅寺
地下鉄で蹴上駅下車、琵琶湖疏水がさらさらと流れる中、蹴上インクラインを通る、この傾斜を鉄道が舟を載せて行き来していたのだな。線路をたどり南禅寺へ、臨済宗南禅寺派大本山で日本中の禅寺のなかで最も高い格式をもつお寺なのだそう。三門は国の重要文化財。どっしとした柱から400年の時の流れを感じる。三門をくぐり、法堂へ、方丈には小堀遠州の枯山水がある。また、別院の南禅院は、静かで、趣があり、庭園は夢窓疎石が作庭したと伝わる。池泉回遊式庭園。

湯豆腐定食 これから天ぷらが来る
湯豆腐は美味しい
南禅寺界隈は湯豆腐で有名。評判の良い有名店「順正」「奥丹」もあるが、拘らずここはフィーリングで、目の前にあった古民家風のお店に入った、店名は「五右衛門茶屋」。
お姉さん方の気持ち良い接客の中、落ち着いて食べることが出来きた。豆腐はだし汁と一緒にさっと茹で食べる。美味しかった。

建仁寺 方丈庭園の枯山水
建仁寺
山号は東山、臨済宗建仁寺派の大本山(当初は天台、密教、禅の三宗兼学の道場)。俵屋宗達の「風神雷神図」、海北友松の襖絵など、美しい水墨障壁画が盛り沢山。方丈、四方向から眺められる潮音庭、○△□乃庭の三庭園など、居心地の良い処があって、時間を忘れボケっとできる。また、平成14年(2002年)創建800年を記念して、小泉淳作さんにより、天井に双龍の絵が描かれた。麻の和紙108枚分に墨で描いているそうだ。

枯山水の前庭「大雄苑」

双龍図

天龍寺 竹林と八角蓮
天龍寺
山号は霊亀山、臨済宗天龍寺派の大本山の寺院。「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されており、大方丈の回廊から曹源池庭園を鑑賞できる。曹源池庭園は夢窓疎石の作庭(諸説あり)、曹源池奥の龍門瀑は、石組みで滝を登って龍に化す鯉を現しており、修行僧が悟りを開く努力を、禅の精神を教えるのである。そして、法堂の天井には雲龍図「八方睨みの龍」(何処にいても睨まれているように見える)が描かれている。天龍寺のある嵐山は沢山の人で賑わっていた。渡月橋を渡り、抹茶のソフトクリームを食べて、竹林を歩く、春は桜、秋は紅葉が素晴らしい所。

大方丈

大方丈と曹源池庭園

曹源池庭園 龍門瀑
西芳寺 夢窓疎石の庭
京都駅からバスで1時間くらい、苔寺下車。受付で拝観証(葉書)と拝観料¥3,000を支払う。スティーブジョブスもよく来ていたと知ってはいたが外国の人もポツポツ。西芳寺は山号を洪隠山、天龍寺の境外塔頭でこちらも世界遺産に登録されている。元は枯山水であった庭園が江戸時代に入り2度の洪水で苔に覆われる。庭園内は見渡す限り緑に輝き、梅雨の時期は120種以上の苔が生息し、中央の黄金池は心字形となっているという。もちろん美しい庭園だった、しかしそれ以上に印象に残ったこと、歩くと心身とも少し軽くなった気がした。苔からマイナスイオンでも出ているのかな。
そして、禅僧、作庭家の夢窓疎石(夢窓国師)による枯山水の龍門瀑は格別だった。今から600年以上前、日本最古の枯山水である。3段で構成され、最上段は悟りを現し、下2段は平坦地、中段には龍になる前の鯉が泳ぐ。
正直、私に信仰はないけれど、水を石で現しているんだ、と思いながら眺めると、そう見えなくもないし、単に水を表しているだけでもない所が面白い。抽象表現主義の芸術家の作品を鑑賞している様だ。

苔、苔、苔

枯山水石組 洪隠山
2013.